2012-06-01から1ヶ月間の記事一覧

ウチそと研通信99 −人間と物質の余白に−

大辻清司フォトアーカイブ展の会場では、作品の撤収、仮設壁をとり壊す作業もひととおり完了した。展示第三部のむすび近くに配した、大辻作品「そして家はなくなった」を反復したような気分が残る。からっぽに戻った空間はこうもカッコいいものか、と、見と…

ウチそと研通信98 −須磨1968、代々木1969−

展覧会(大辻清司フォトアーカイブ展@ムサビ)は、終わった。誰もいなくなった会場で、ガイドを続けよう。第三部「建築と環境」では、都市インフラストラクチャー系の写真に挟みこむかたちで、1960年代末から70年代初めの3つのアート・イヴェントを撮った…

ウチそと研通信97 −それは過程の世界−

大辻清司フォトアーカイブ展@ムサビの会期は、あと3日を残すばかりだ。土曜23日が最終日。1960年代以降の後期大辻を扱う第三部「建築と環境」のガイドを続けたいのだけれど、このパートのタイトルは多少の無理を承知で、「見えない都市」としてもよ…

ウチそと研通信96 −60年代へ−

前回紹介した浪曲の玉川奈々福さんが、一昨日、「大辻清司フォトアーカイブ展」を観に来てくださった! 武智鉄二演出「きりしとほろ上人伝」の舞台写真に写っている浪曲師が木村若衛さんであることを教えていただけたばかりか、他の作品についてのご質問もた…

ウチそと研通信95 −3人の芥川−

大辻清司フォトアーカイブ展のガイドをしている途中だった。第二部「表現の現場から」に並べたプリント、後になって気づいたのだが、ハリガネ系の男性アーティストの写真を中心に選んでいる。剣持勇、毛利武士郎、石元泰博、芥川比呂志、三島由紀夫(ボディ…

ウチそと研通信94 −表現の現場から−

大辻清司フォトアーカイブ展ガイドを続けよう。プロジェクションによる実験工房(バレエ実験劇場、及び「月に憑かれたピエロ」)のパートを構成していく過程であらため感じたのは、大辻さんが動体視力にすぐれた写真家だったこと。静かなるまなざしの人、と…

ウチそと研通信93 −フォトアーカイブ展ガイド−

武蔵野美術大学の美術館で開催中の「大辻清司フォトアーカイブ展」が、会期最終週(〜6月23日最終日)に入ろうとしている。もうご覧になりましたか?この展示の準備をいつから始めたのか、といえば大辻さんの仕事場に月1回のペースで調査に通いだした十六七…