2015-01-01から1年間の記事一覧

ウチそと研通信139−赤瀬川さんの絵画鑑賞にはやはりどきりとする−

赤瀬川源平さんが亡くなってもう一年が経つ。昨年末に千葉と町田で開かれた展覧会が回顧展めいたものになってしまったが、とても咀嚼しきれない大きなかたまりを与えられたような気がしている。お目にかかると物静かで、軽いユーモアでいなされるのがいつも…

ウチそと研通信138−地中の寶(たから)−

「まち歩き」という言葉が一般に聞かれるようになりましたが、テレビや雑誌などでは食べ歩きや買い物が中心で、その土地の歴史や文化、成り立ちについて触れる記事や番組は少ないようです。 地方の博物館などで入口近くのコーナーにはよく、地形模型や航空写…

ウチそと研通信137−ライカ発表会でラルフ・ギブソンの「DEJA-VU」を思い出す−

先の11月6日に虎ノ門で催されたライカ社の新製品発表会を覗いてきた。ライカSLと名付けられたフルサイズセンサーを持つ、一般的にミラーレスと呼ばれるタイプのデジタルカメラが新製品として発表され、会場では製品プロモーションのビデオクリップが繰り返し…

ウチそと研通信136 −コニカミノルタプラザで三熊將嗣氏の写真展を見る−

先日、コニカミノルタプラザで行われていた「Into the world of Pirosmani」という展示を見る。現在ジョージアと改名されているグルジアに、ピロスマニという画家の作品を見に行く目的で短い旅をした中での撮影の成果が並べられていた。質素でさらっとした展…

ウチそと研通信135 −人間博物館−

この夏、妻の故郷である名古屋への帰省にあわせて、名古屋周辺の博物館をいくつか観て回った。その中で、名古屋へ何度も行きながら一度も観ていなかったのがリトルワールドであった。正式な名称は「野外民族博物館リトルワールド」であるが、入口には「人間…

ウチそと研通信134ー三県境の「道」−

5月6日の前回ブログで大濠公園のベンチを離れ地下鉄に乗って以来、どこをどう辿ったかはメモに残してあるが煩わしいので省くとして、つい今しがた起床、写真同人誌九州『九州三県境』を久しぶりに手に取った。窓をあけ6月の朝の外気を部屋へ入れつつ、あら…

ウチそと研通信133−「三県境」を水辺でー

「彼岸も終わり何とも心地良い秋を、光を全身に浴びながら各メンバー一斉に『九州三県境』を目指した」と、あとがきに記された写真同人誌九州2号を眺めていて、気づくといつのまにか初夏めいてきた。木漏れ陽のもと(大濠公園なう)、ページをめくり意識があ…

ウチそと研通信132−挿入された写真の傾き−

1997年に発刊された「ロンドン骨董街の人びと」という本を読んだ。すでに1998年度の講談社エッセー賞も取り、現在文庫にもなっているが興味深い内容だ。著者は六嶋由岐子氏。氏が1990年前後にロンドンの老舗骨董店で働いていた頃の体験を記し、骨董と英国人…

ウチそと研通信131ー「九州三県境」展を見にいくー

九州に移って二週間ほどが経過、福岡市内の地下鉄路線はほぼ一巡してみたが、バスを乗りこなすまでにはまだ時間がかかりそうだ。久々の一人暮らし、鯖または鶏の料理を求めつい食費がかさみがちで、そろそろ軌道修正を心がけなくてはいけない。駅や地下街な…

ウチそと研通信130−アーサー・トレス−

以前から気になっていた写真家の写真集を購入した。アーサー・トレス(Arthur Tress)の『THEATER OF THE MIND』。アーサー・トレスを知ったのは、10年ほど前、まだ映像の専門学校に通っていた時だった。その時の講師が飯田さんで、いろいろな写真家の写真集…

ウチそと研通信129−napギャラリーで城戸保の写真を見る−

年明けに以前から気になっていた城戸保氏の写真を見に行く。これまで氏の作品には印刷物とweb上で目に触れていたに過ぎないが、なかなか印象深く、ようやく展示のイメージを実際に見ることになった。小さな画廊空間に適度な密度で折り込まれているような展示…