ウチそと研通信83 −ポーラ ミュージアム アネックスで見たファッション写真−

先日、銀座のポーラミュージアムアネックスでのファッション写真の展示、「Chic and Luxury」展を興味深くみた。古いものでホルスト、新しいところでは1983年制作というヘルムート・ニュートンまで、ヴォーグ、バザーなどのファッション誌に使われたと思われる写真が、14名の著名な写真家の写真が総計50点近く展示されていた。ここのところ、クラシックなファッション写真のプリントを眼にする機会がそれほど多くないので、どの写真を見てもそれぞれに新鮮な感触で楽しめる。すべてモノクロームのプリントだ。
すでに印刷物で見ていたものも数多くあったが、印画紙の状態で展示されているとやはり写真のひとつなんだとあらためて感じる。ファッション写真は自分のこれまで継続してきた作業とはだいぶ距離がある世界だが、どこかで共感し、興味をもっている。展示写真はどれも一枚の写真を撮るためについやした力が、きちんと写真を見る人間に伝わってくる。一枚だけ展示されていたヘルムート・ニュートンの生々しさのあるフェティッシュな婦人靴の写真もさすがと思ったが、5点展示されていたソコルスキーの浮遊写真は面白い。以前印刷で見ていた印象をさらに上回るものがあった。また、アヴェドンやクラインに比べ、アーヴィング・ペンのスタイルは展示写真の部分ではいささか退屈な感じがしたのは、なんだか申し訳ないような気になってしまった。今回のような展示をもっと沢山見てみたいと思う。
飯田よりお知らせをひとつ。
12月23日金曜日に、四谷のギャラリー、「ニエプス」にて飯田鉄の撮影した8ミリ映画の上映会を行ないます。上映は午後3時、5時、7時半の3回を予定しております。
開場は当日午後2時より、写真などの展示も行なう予定です。ご興味ありましたらご来場ください。