ウチそと研通信130−アーサー・トレス−

以前から気になっていた写真家の写真集を購入した。アーサー・トレス(Arthur Tress)の『THEATER OF THE MIND』。アーサー・トレスを知ったのは、10年ほど前、まだ映像の専門学校に通っていた時だった。その時の講師が飯田さんで、いろいろな写真家の写真集を見せてもらった中、いちばん記憶に残ったのがアーサー・トレスの『The Teapot Opera』だった。紙芝居のような劇場の枠の中で、日用品などを使ってさまざまな物語が展開される。
それ以来、古書店で探すものの見つからない。amazonで探せばあるけれど、ネットでは購入しない主義なのでまだ手に入れていない。一昨年の写真展も見逃してしまった。今回の『THEATER OF THE MIND』は渋谷の古書店で手に入れた(ネットで検索して見つけたのだが)。
このような写真を何と呼んで分類するのか知らないが、スナップ写真しか撮らない自分の創作心を刺激する。悪夢の中に滑稽さが混じり、中世の絵解に通ずるような、あるいは覗きからくり的な、動画以前の雰囲気がよい。